病棟から安易な考えでクリニックに転職するのは考えもの

病棟で働く看護師には日々様々なストレスがあります。
患者・医師・同僚との関係であったり、看護内容に関することだったり、時間に追われ理想とかけ離れた現実を思い知らされたり・・・
そんな時つい「クリニックで気軽にパートでもいいかなぁ」と現実逃避してしまいますよね。

 

でも本当にクリニックは楽なのでしょうか?

 

クリニックでの看護師業務は診療介助・処置が中心となります。病棟看護師のように体交・排泄介助・保清といった介護面の仕事は殆どありません。
1日決まった患者の看護行う病棟と違い、日により患者数も変わるため多い時では100人を超える患者を迎えなければなりません。診療時間も決まっているので、できるだけスムーズに診療がすすむよう診察の順番を考えて誘導したり、問診から先に行える処置や検査を考えて実施したり、処置だけで来院される方もおられるのでなるべく待たせないよういつ誘導するか、と常に時間に追われています。クリニックではその日勤務する看護師の数も多くはなくそれぞれ担当にわかれて行動する為お互い協力はしますが出来るだけ自己完結出来るよう工夫して作業していかなくてはなりません。注射・点滴が苦手などとはいってられませんし、何人もの患者を待たせる事になるためスピードと正確さが求められます。
診療介助も診察や処置の介助はもちろんですが、二度手間にならないよう医師のカルテ記載を随時確認し、おかしいと思う点(薬の量やアレルギーで禁忌の薬・過去の患者説明と異なる点等々)があればその場で指摘していく勇気と知識も必要です。

 

これらがスムーズに出来るのもある程度の土台があってこそです。
その土台を作るのは病棟勤務が打ってつけでしょう。先輩看護師に教わりながら一つ一つの手技を体得し、様々な患者との関わりの中で経験を積み、研修を通して他の看護師の看護を知ることで視野を広げ、様々な疾患・病期関わる中でより深い知識を身に付け看護に生かしていく。
これらはクリニックではなかなか出来ないことです。クリニックでは共に成長もできますが、それはある程度実践が出来る看護師であることが条件です。即戦力を求めるクリニックでは手技の理解も実際も不十分だと「使えない」とみなされます。そこでくじけず乗り切っていくことが出来れば手技は数をこなせば体得出来るものなので1年もすれば十分追いつくことは出来ます。

 

また病棟と違いクリニックではスタッフの人数も限られているため人間関係が上手くいかないと勤務がつらいものになります。特にクリニックでは病棟のように看護師同士の連携プレーとは違い、受付・医師・看護師などクリニックのスタッフ全体での連携が必要不可欠です。病棟だと場合によっては異動などで対応できますが、クリニックではそれが無理なので合わなければ退職も視野にいれて考えなければなりません。
患者として関わるクリニックとスタッフとして関わるクリニックはまったく違うものなので、安易な考えで転職するのは避けましょう。